投資家の皆様へ
当社グループは、「with entertainment」をミッションとして掲げており、人々の期待を超えるサービスを生み続けていくことを目指しております。また、今までになかった価値を創造し、ユーザーを魅了する体験を届けていくことに努めております。中期的には、IP×テクノロジーを軸に、エンターテインメント・コンテンツをグローバルに提供する企業となっていくことを掲げており、持続的成長及び企業価値向上を目指しております。
主力のゲーム事業においては、ゲームの開発・運用が主要事業となっており、他社IPゲーム及びゲームプラットフォーム並びにオリジナルゲームの開発・運用を行っております。また、コンテンツ事業においては、IPの保有・育成を目的として小説、コミックス等の書籍、電子書籍の出版、販売を行っている他、当社の有するインターネットサービスの知見と先進的なテクノロジーを活用した新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねております。
当連結会計年度における業績は、売上高12,655,184千円(前期比29.4%増)、営業利益112,008千円(同87.6%減)、経常利益53,306千円(同93.3%減)となりました。また、当第1四半期にリリースした新規モバイルゲームタイトル1本に関連するソフトウエア減損損失、開発中のPC・コンソールゲームタイトルに関連するソフトウエア仮勘定減損損失、投資有価証券評価損を計上したことで特別損失1,171,806千円を計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は1,035,569千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益104,051千円)となりました。
各セグメントの業績は以下の通りです。
ゲーム事業
ゲーム事業においては、当第3四半期にリリースいたしました新規自社配信タイトル『Wizardry Variants Daphne』が当期において順調に推移し収益に貢献いたしました。また、当第4四半期には、位置情報ゲーム『Disney STEP』をリリースいたしました。現在の運用中モバイルゲームタイトル本数は11タイトルとなっており、複数の長期運用タイトルから収益を獲得しております。なお、当第1四半期にリリースした新規タイトルは売上が想定を下回り、クローズを決定いたしました。また、開発中のPC・コンソールゲームタイトルについて、プロジェクト方針等の変更に伴い、将来収益の再評価を行い、投資額の回収可能性を算定した結果、当該開発中ゲームタイトルに関連する資産の一部を減損処理することといたしました。
売上高につきましては、一部の運用タイトルが前期を下回る推移となりましたが、当第3四半期にリリースした新規タイトルの貢献により前期比で増加いたしました。
利益につきましては、上記の増収要因の通り新規タイトルによる貢献がありましたが、運用タイトルの弱含み、及び当第1四半期にリリースした新規自社配信タイトルが想定を下回る売上となったこと等により、前期比で減少いたしました。
以上の結果、セグメント売上高は11,924,240千円(前期比27.5%増)、セグメント利益は976,374千円(同48.5%減)となりました。
主力事業である当セグメントにおいては、引き続き既存運用タイトルの安定的な収益の維持に努めるほか、新規運用タイトルの収益最大化による売上・利益の増大及びPC・コンソール向け新規タイトルの開発による事業ノウハウの獲得、自社IPの保有を目指してまいります。
コンテンツ事業
コンテンツ事業においては、 IPの保有、育成、収益化を目的として出版・映像事業に取り組む中、ライトノベルレーベル「DREノベルス」とコミックレーベル「DREコミックス」から毎月刊行を実施しております。また、当社の有するインターネットサービスの知見と先進的なテクノロジーを活用し、Web3領域における新たな事業開発や、SNSを活用したファンマーケティング支援サービス『Rooot』『Fanflu』等を提供しております。
売上高につきましては、「DREノベルス」に加え、2023年秋から「DREコミックス」の刊行を開始しており、シリーズ累計20万部を超える人気作品を複数輩出できていること等により、前期比で増加いたしました。
利益につきましては、出版・映像やWeb3などの新規事業領域への投資を行っており費用先行が継続しておりますが、上記の増収要因により、損失額が前期比で減少いたしました。
以上の結果、セグメント売上高は778,959千円(前期比81.2%増)、セグメント損失は864,366千円(前期はセグメント損失993,611千円)となりました。
当セグメントにおいては、出版事業において作品数積み上げによる販売数増加、損失額の縮小に努めるほか、中期的に目指す姿の実現に向け今後も投資を実施してまいります。
今後につきましては、ゲーム事業において、より強固な事業基盤を作るべく、既存運用タイトルへの追加投資や体制強化等を通じて長期安定的な収益の確保に努めるほか、新規運用タイトルの収益最大化による成長を目指してまいります。また、ゲーム事業においてもIPを保有し育成することを目的として、PC・コンソール向けのオリジナルタイトルの開発を実施してまいります。
コンテンツ事業においては、IPを保有し育成・収益化することを目的として開始した事業を一定規模に成長させることを目指しております。また、新たな体験・市場を生み出す先進的なテクノロジーの活用を積極的に進めてまいります。
京都大学の学生だった私が2001年に設立した当社は、2024年11月で創業23年を迎えました。創業当時の主力事業であったブログサービスから、現在の主力事業であるゲーム事業まで、時流の変化にあわせて提供するサービスは大きく変化してきましたが、 どのサービス・事業も創業以来の当社のアイデンティティである「with entertainment~期待を超える」 を体現した「ドリコムらしさ」の溢れるサービスであったと自負しております。 新たな技術の応用、普及が進み、世界が一層劇的な変化を遂げるこれからの時代において、引き続き 「with entertainment~期待を超える」の精神を大切に、世の中の変化を担い、世の中に驚きと喜び、 そして幸せを届けるサービス・事業の創出に向けて邁進してまいります。今後とも一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2025年5月
株式会社ドリコム
代表取締役社長 内藤裕紀